用心、用心、海の娘よ。「用心せよ」と彼女は鳴いた。
潮の下へと潜る彼女のムルァァグルを海風が運ぶ。
Protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.
(用心せよ 海の娘に気を許すな)
(「用心せよ」と男の叫ぶ声がする)
(海風に乗って渡るその声は)
(男が波間に 沈みゆくときの言葉)
(血に染まるカリムドールの浜)
(水兵が戦い 死んでいった)
(セラモアで提督は斃れた)
(それは 離れていった娘のせい)
(何故なのだ 海の娘よ)
(何故なのだ 海辺での日々を忘れたか?)
(常に国の誉であった子なのに)
(道をそれてしまうとは)
(海原を超えて 娘が逃げ出したとき)
(その後を追って提督は西へ)
(何をおいても娘の命を救うため)
(息がまだあることをただ祈って)
(そして遠く陸に提督が見たのは)
(迫り来る敵の群れ)
(そして野蛮な敵と いざ対峙した時)
(提督の娘は身を引いたのだ)
(こうして提督は 深い海に葬られた)
(家族の裏切りで)
(故国に残した最後の言葉 その叫び)
(海の娘に用心せよ)
↓が彼女の独白です。長文失礼しましたm(__)m
(聞いていますよ 今は… お父様…)
(聞こえた 月を水面に映す海を越え)
(私に警告する 覚えのある声)
(用心せよ 海の娘に気を許すな)
(気を許してはならぬ…)
(…私に。)